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ことわざって何?

ことわざのこと

「情けは人のためならず」「捨てる神あれば拾う神あり」など、
日常の中で色んなことわざを耳にするのではないでしょうか。
中には千年以上前に生まれたことわざが今に生きているものもあり、
その数は数万種類に及びます。
生活の知恵や先人の教えを短く言い表したことわざは世界中にあります。
ユニークな言い回しが多く、くすっと笑えることわざの世界。
なかなか奥深いので、ちょっとのぞいてみませんか?

ことわざの隠れた物語を知ろう

ことわざものがたり

ことわざには意外な分類が

テーマ別ことわざ

ことわざがあれば万事解決!?

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意外と似てる!?

世界のことわざ
あれこれ

ことわざものがたり

有名なことわざの成り立ちをエピソードで見てみよう

コロンブスの卵

(ころんぶすのたまご)

【意 味】

誰にでもできそうに思えることでも、最初に行うのは大変難しいということ。

【なりたちエピソード】

『コロンブス』とは、アメリカ大陸を発見した探検家。大陸発見はだれにでもできると批判されたコロンブスは、その人たちに卵を立ててみせてくれと言ったところ、一人もできなかった。
しかし、最後にコロンブスは、卵のしりの部分をつぶして見事に立ててみせたという逸話から。

【使い方】

こんなに簡単な方法で実験がうまくいくとは思いもしなかったよ!よく思いついたね、まさにコロンブスの卵だ!

風が吹けば桶屋が儲かる

(かぜがふけばおけやがもうかる)

【意 味】

(1)一つのことから回り回って、思いがけない影響が出たり、意外な結果が生じること。
(2)あてにならないことを期待すること。

【なりたちエピソード】

風がふけば、砂ぼこりのために失明する人が多くなり、失明したせいで音曲で生計を立てようと三味線をひく人が増える。
次に三味線で使うネコの皮が大量に必要となる。そのためネコが減り、ネズミの数が増える。
ネズミは桶をかじりこわしてしまうので、桶がよく売れるようになり、桶屋がもうかるという昔話から。

【使い方】

先生が風邪をひいたから来週のテストがなくなるだろうって?「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいなこと言ってないで、地道に勉強したほうがいいよ。

こんなのも!?
テーマ別ことわざ

ことわざをたくさん知れば意外な分類が見えるかも!?

◎どうぶつのことわざ

鼬ごっこ

(いたちごっこ)

同じことのくり返しで、いつまでも決着がつかないこと。
イタチのオスとメスが、ぐるぐる回って果てしなく追いかけっこをする様子から、できたことば。

鹿を追う者は山を見ず

(しかをおうものはやまをみず)

一つのことに熱中しすぎると、他のことをかえりみる余裕を失うということ。シカをつかまえることに熱中するあまり、山の奥深くまで分け入ってしまい、危険な目にあうことから。

◎たべもののことわざ

餅は餅屋

(もちはもちや)

物事は、その道の専門家が一番なので、それぞれの専門家に任せるのがいいということ。
もちは、もち屋がついたものが一番おいしいことから。

青菜に塩

(あおなにしお)

急に元気がなくなり、しょんぼりとかたを落としてしまうさま。
『青菜』に塩をふりかけると、水分がなくなってしおれてしまうことから。

◎しょくぶつのことわざ

独活の大木

(うどのたいぼく)

体は大きいが、何の役にも立たない人のたとえ。
独活は山に生える草だが、高さ約1.5メートルほどになる。
けれど、茎が柔らかすぎて使い物にならないことから。

団栗の背比べ

(どんぐりのせいくらべ)

どれもみな平凡で、特に目立つものがないことのたとえ。
どんぐりは形も大きさもほぼ同じで差がないので、背比べをしてもほとんど高さが変わらないことから。

◎がまんのことわざ

武士は食わねど高楊枝

(ぶしはくわねどたかようじ)

たとえ貧しくとも、気位を高く持つべきだということ。また、やせがまんをすること。『高楊枝』とは、食後にゆうゆうとつまようじを使う様子。武士は名誉を重んじて、貧しくて食べ物がない時でも、満腹のふりをしてつまようじを使ったことから。

石の上にも三年

(いしのうえにもさんねん)

がまん強くしんぼうをすれば、いつかは成功することができるということ。冷たい石でも三年座りつづけるとあたたかくなるということから。

◎てんきのことわざ

朝焼けは雨、夕焼けは晴れ

(あさやけはあめ、ゆうやけははれ)

朝焼けがあると、その日に雨がふり、夕焼けがあると、明日は晴れるということ。

馬の背を分ける

(うまのせをわける)

馬の背中を中心にして、片側はぬれ、もう片側はかわいているような、局地的な夕立などの雨のふり方を例えていった言葉。

◎たのしいのことわざ

盆と正月が一緒に来たよう

(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)

非常にいそがしい様子。または、うれしいこと、楽しいことが重なることのたとえ。

物見遊山

(ものみゆさん)

名所などを見物したり遊び歩いたりすること。『物見』祭や行事や名所などを見にゆくこと。『遊山』山や野で遊ぶこと。

ことわざトーク

ことわざってどんな風に使うの?
ふだんのおしゃべりでことわざを使うと、ちょっと知的に見えるかも?

「日曜だからっていつまで寝てるの?今が何時かわかってる?」

「仕方ないよ、ママ。春眠暁を覚えずっていうじゃないか…」

「10時は暁じゃありません!起きなさい!」

春眠暁を覚えず

(しゅんみんあかつきをおぼえず)

春は夜が短い上に、眠るのに快適な気候なので、夜明けになっても気づかず、なかなか起きられない様子。
暁とは明け方のやや明るくなってきた時間帯のこと。

「君、こんなに歌が上手だったの?知らなかったよ!」
「ふっふっふ。能ある鷹は爪を隠すと言いますからね」
「あはは!それをマイク通して言うんだ!」

能ある鷹は爪を隠す

(のうあるたかはつめをかくす)

本当に実力のある人は、考えもなく人前で力を自慢したりしないというたとえ。『能』とは、能力のことで、何かをやりとげたりする力のこと。

「駅前に新しいカフェができたらしいよ」
「あれ?先月もできてなかった?」
「そう。去年できたお店が大繫盛したでしょ?それから雨後の筍のように続々とオープンしてるよ」

雨後の筍

(うごのたけのこ)

同じような物事が、次から次へと現れたり、起こったりすることのたとえ。雨の後はタケノコがたくさん生えてくることから。

「昨夜、お父さんとお母さんすごい喧嘩してたね。何があったの?」

「…お父さんがお母さんのプリンを勝手に食べたんだよ。トイレ掃除を条件に許してもらったよ」
「は?それであの大騒ぎ?大山鳴動して鼠一匹だね」

大山鳴動して鼠一匹

(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)

前ぶれのさわぎばかりは大きいのに、実際の結果はとても小さいことのたとえ。『大山』とは、大きく高い山のこと。大きな山が揺れ動いたが、やがて出てきたのは、小さなネズミ一匹だったということから。

世界のことわざ
あれこれ

ことわざは日本だけのものではありません。
ただし、文化によって表現のしかたは変わります。
たとえば、「誰にでも後ろめたいことはあるものだ」という意味のことわざにも、こんなバリエーションが。

【日本】

叩けば埃がでる

(たたけばほこりがでる)

どんな人物でも、細かく調べれば、欠点や悪い行いが見つかるものだということ。きれいに見えるお布団も、干して叩いたらほこりが出ますからね。

【ドイツ】

小骨のない魚なく、
欠点のない人間なし

(こぼねのないさかななく、けってんのないにんげんなし)

魚には必ず小骨があるように、人間だれしも欠点があるものだということ。このように「確かに」「なるほど!」と思える言い回しが、ことわざとして定着していくのでしょうね。

【アメリカ】

どこの家のクローゼットにも
骸骨がある

(どこのいえのくろーぜっとにもがいこつがある)

どんな家庭にもそれぞれ外聞をはばかるような秘密はあるということ。なんだか怖い話みたいですが、「クローゼットの骸骨」というのは「秘密がある」という意味の、欧米ではポピュラーな慣用句なのです。

【ネパール】

病を持たぬ体も
罪人のいない家系もない

(やまいをもたぬからだもざいにんのいないかけいもない)

だれしも完璧ではないということ。
これもまた「確かに」と思わせるたとえです。病気はもとより、家系も古いものをたどれば、人数は膨大。何かあってもおかしくありません。